CPD:継続教育、継続研鑚 01/その他の管理技術力の解答例

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CPD:継続教育、継続研鑚 01/その他の管理技術力の解答例

問い

 建設コンサルタントにおけるCPD について、以下の点について述べなさい。
① CPD について概要を述べるとともに、各学協会が制度化した背景について述べなさい。
② 建設コンサルタントにおけるCPDに、期待される効果と資格制度の活用について述べなさい。
 CPD:(Continuing Professional Development ) 継続教育、継続研鑚などと訳されている


解答例

1.CPDが制度化された背景
 技術者が継続的に自らの知識や技量を更新し、それを自らの業務に役立てることは技術者としての社会的責任である。CPD(Continuing Professional Development)は継続的な専門能力の開発であるが、土木学会は「継続教育」と訳している。技術士会は能力開発する主体の側に立って「継続研鑚」と訳している。
 土木学会を始め多くの学協会、民間企業そして官庁では、継続教育(CPD)制度を整備し、教育プログラムを提供して技術者の継続教育を支援している。継続教育制度は継続教育プログラムの提供、継続教育記録の管理、継続教育の内容の評価・証明の3本立により構成されている。土木学会は平成13 年度に継続教育制度を立上げて以来5年を経て、教育プログラムの内容や教育管理システムも着実に整備されてきている。
 一方、地盤工学会、日本技術士会、建設コンサルタンツ協会など多くの学協会でも継続教育制度が整備されてきており、平成15 年度には土木学会、建築学会など建設系の11 学協会が建設系CPD 協議会を設立し、教育プログラムの相互紹介と承認、教育記録管理システムネットワークの構築に向けた検討を行ってきている。また、日本工学会では平成16 年度より学会内にPDE(ProfessionalDevelopment of Engineers)協議会を設立し、日本工学会に参加する学協会ならびに全国の技術者のCPD のあり方についての研究とシステム構築を開始している。さらに、発注機関でも入札・契約の際に担当技術者の評価項目の1つとしてCPD 単位の取得状況を取り入れるところも見られるようになってきている。
2.CPDの概要
 CPD は、Continuing Professional Development の略で、継続研鑚、継続学習、継続教育、自己研鑚などを意味する。CPD 活動は、技術者が自らの技術力、研究能力、マネジメント能力、コミュニケーション能力向上のために自分の能力を継続的に研鑚する活動である。
 また、CPD の範囲は、CPDによって獲得した能力を社会貢献に資する活動も含め、一般に、次のように分類される。
① 能力を獲得する活動:講演会・講習会・シンポジウム・研修会・見学会などへの参加、論文発表、口頭発表、執筆活動、資格取得、自己学習など
② 実務を通じた活動:表彰を受けた業務、特許取得など
③ 社会貢献活動 :公的な機関等の委員会委員、講演会講師、技術指導など
 CPDの実施と登録は、以下のような考えの下で実施されている。
・できるだけ第三者の立場から研鑚実績として理解されるものが望ましい。
・実施したCPDは、CPDの形態や課題に沿って所定の様式に記録し、CPDの登録を行う。
・CPDの形態と課題をバランスよく実施するように心がける必要がある。
・CPD実績の目標は、150CPD時間/3年間(APECエンジニアは250CPD時間/5年間)で、年平均50CPD時間を履修することが望ましい。
・CPD登録は自己申告が基本であり、CPDの内容については各技術者が説明責任を果たすべきである。
 技術者が日頃従事している業務、教職や資格指導としての講義など、それ自体は自己研鑚とはいえない。しかし、業務で実施した「専門家としての能力の向上」に資する調査研究活動などは、自己研鑚活動であるといえる。
3.CPDに期待される効果
 CPDに期待される効果としては、次のようなものが挙げられる。
(1)計画的なCPDについて
 CPDによる継続研鑚については、自らの能力レベル、立場、業務を踏まえて、技術者としての能力向上に向けた明確な目標を定め、計画的に実施することが求められている。
(2)自己研鑚サイクル
 CPDの評価を活用することで、中期計画や実施計画の目的・目標を明らかにし、目標達成に向けた活動を行い、その活動の成果を評価・検証し、継続的な改善活動に取り組み、より効果的なCPD体系を構築することができる。
 このように、CPD運営に「計画・実行・評価・改善」の循環(PDCAサイクル)を確立し、CPDの質的向上・効率化・持続的好循環を目指すことが必要になっている。
(3)自己研鑚の計画立案
 CPDニーズに優先順位を付け、次にそれらを達成する計画を立てる。それには、可能な学習活動、必要なリソース、適切なスケジュールなどを考え、また得られた成果をどのように評価するかも決めておく必要がある。「リソース」には、本や専門誌、講演会、公開講座、通信教育、会議などがある。通常最も効果的なCPDは、職場での実地学習(OJT)である。重要なのは、これをCPDと認識することである。
(4)自己研鑚の事後評価
 CPDを実行後、次に重要なのは、ただそれを記録することだけではなく、何を学んだかを認識し、獲得した成果を評価することである。それは、自分の能力開発計画に対する優れたテストともなる。
4.資格制度の活用
 技術者CPDの実施形態は、集合研修、自己学習(通信教育を含む)、著書の執筆(学会等の論文を含む)、研修会の講師、企業内研修、技術指導、産業界における業務経験など多種多様なものがある。
 個々の技術者は、自主的な研鑚に最も適したものを社会のニーズに基づき、自主的に選択して実行すべきで、CPD形態の選択は、できる限り第三者の立場からも研鑚実績として認められるものでなければならない。
 自己研鑚の実績をCPD記録として登録する場合は、自己研鑚が自身の資質の向上に寄与したものを登録することとし、「日常的な業務」は登録対象としないものとする。
(1)集合研修(受講)
 研修の多くを占める集合研修には、講義型研修会、その他講演会、セミナーなどがある。具体的には、関係学会協会(学術団体、公益法人を含む)、大学、民間団体及び企業が公式に開催するもので、研修会、講習会、研究会、講演会、シンポジウムへの参加などがある。
(2)論文・報告文などの発表
① 関係学会協会、民間団体、企業等が開催する技術発表会、講演会、研究会、シンポジウムなどでの口頭発表
② 関係学会協会、民間団体、企業等が発行する技術関連の会報誌、学会誌、学術誌、技術誌、大会誌、シンポジウム誌などへの論文・報告文の発表
③ 関係学会協会、民間団体、企業等が発行する技術関連の会報誌、学会誌、学術誌、技術誌、大会誌、シンポジウム誌などの論文・報告文の査読
(3)企業内研修(受講)
 研修プログラム及びoff-JTとして、その実施方策等が明示されており、それに基づいて実施された成果が明確なもの。
(4)研修会・講習会などの講師・技術指導
① 関係学会協会、大学等教育・研究機関など、民間団体、企業などの開催する研修会、講習会、技術説明会の講師など
② 修習技術者、技術士補などに対する具体的な技術指導など
(5)産業界における業務経験
① 表彰を受けた業務
② 特許出願(ビジネスモデル特許含む)
(6)その他
① 政府機関の認定あるいは承認する公的な技術資格の取得
② 政府・地方自治体・学会などの審議会・研究会等の委員への就任
③ 大学、研究機関(企業を含む)などにおける研究開発・技術開発業務への参加
④ 国際機関、国際協力機構(JICA)などにおける国際的な技術協力への参加
⑤ 技術図書の執筆など
⑥ 上記以外で技術者のCPDに値すると判断されるもの
                             - 以 上 -


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