CPD:継続教育、継続研鑚 02/その他の管理技術力の解答例

RCCM試験/その他の管理技術力の解答例の一覧ページです。


スポンサーリンク


CPD:継続教育、継続研鑚 02/その他の管理技術力の解答例

問い

 建設コンサルタントにおけるCPD について、以下の点について述べなさい。
① CPD について概要を述べるとともに、各学協会が制度化した背景について述べなさい。
② 建設コンサルタントにおける、CPDに期待される効果と資格制度の活用について述べなさい。
 CPD:(Continuing Professional Development ) 継続教育、継続研鑚などと訳されている


解答例

1.CPDが制度化された背景
 社会の急激な変化に伴い、技術者自らが継続して社会のニーズに合致した研鑚の実施がますます重要となってきている。各学会協会では、CPD 実行委員会開催の「技術者CPD 中央講座」や各支部・部会開催の「講演会・見学会」など、CPDの場が提供されるとともに、CPD 実施者には、その実績を登録するように勧め、ホームページから、登録者が直接入力することにより、いつでも簡単に登録できるWEB 登録システムの活用が奨励されている。
 平成12 年4 月の技術士法の一部改正により、技術士の資質向上を図るため、資格取得後の研鑚が責務として明文化されたことを受けて、日本技術士会では、「技術士CPD(継続研鑚)」を推進しており、平成14 年4 月からはCPD記録の登録を受け付けている。
 技術者の継続教育(CPD:Continuing Professional Development、以下「CPD」と略す。)は、技術者個人が自らの意志に基づき、自らの力量の維持向上を図るために行うものである。しかし、昨今では、技術交流や経済活動の国際化が進展していく中で、技術者資格の相互承認の動きとも相まって、高度な専門分野の技術を活用して快適で安全・安心な社会の実現に向けて責任を負う技術者の継続的能力開発を図るとともに、技術者の能力が長い教育と学習によって確保されていることを客観的に市民やユーザーに示す重要なものとして認識されるようになってきた。
 欧米諸国では早い段階からCPD の重要性が認識され、イギリス土木学会(ICE)やアメリカ土木学会(ASCE)を中心に、CPD は技術者個人や企業としても実務に活用されている。一方、国内においても社団法人日本工学会や分野別CPD 協議会において、各協会に所属する会員の専門能力向上を支援し、CPD 単位の与え方をできる限り統一させるためのルールづくりや複数の協会で取得したCPD 単位に相互互換性を持たせるなど、工学分野の共通課題としてCPD の普及に取り組んでいる。
 そうした関係学会協会の動きに併せて、ここ数年、建設分野において国土交通省や地方自治体が管理技術者のひとつの要件としてCPD 記録を位置付けるなど、実務の場での活用が広がってきており、今後ますますこれらの動きは進展していくものと予想される。
2.CPDの概要
(1)技術士CPDの基本
 技術業務は、新たな知見や技術を取り入れ、常に高い水準とすべきであることはいうまでもなく、継続的に技術能力を開発し、これが証明されることは、技術者の能力証明としても意義があることである。
 自己研鑚は、技術者個人の専門家としての業務に関して有する知識及び技術の水準を向上させ、資質の向上に資するものである。従って、何が自己研鑚となるかは、個人の現在の能力レベルや置かれている立場によって異なる。
 自己研鑚の実施の記録については、自己の責任において、資質の向上に寄与したと判断できるものを自己研鑚の対象とし、その実施結果を記録し、その証しとなるものを保存しておく必要がある。また、実施した自己研鑚の内容の問い合わせに対しては、記録とともに証拠となるものを提示し、技術者本人の責任において説明ができるようにしておくことが重要である。記録・整理の観点から各学会協会のCPD登録データベースに登録し、手元には証拠となる書類等を整理して、5年間の保管しておくことが求められている。
(2)自主的な選択による実施
 技術者には、自己研鑚の目的に最も適したものを自主的に選択してCPDを実行することが求められる。どのようなCPDを実施すべきかは、個人のニーズにより異なるため、自己研鑚が実施される場所や形態も、各学会協会主催の研修会等のほか、組織内の講習、自宅での成果が明確な自己学習など多様である。
(3)計画的な実施
 個人の現在の能力レベルや置かれている立場・業務を踏まえて、専門家としての能力向上に向けた明確な目標を定め、計画的に実施することが望まれる。
(4)CPDの記録及び登録
 CPD登録証明書の発行を望む技術者は、各学会協会のCPDガイドラインに基づく実績登録が必要であり、自己研鑚実施後、その都度実績を記録すると共に、実施を証明することができるエビデンス(受講証や発表資料等)などを整理し、5年間保管しておく必要がある。
(5)自己研鑚活動の場(提供機関)
 各学会協会では、技術士のCPDとなる場を多く提供しているが、専門的分野の課題については自己研鑚活動も積極的に活用する必要がある。
3.CPDに期待される効果
(1)自己研鑚評価を活用した進行管理
 これまでのCPDは、将来に向けて「自らがやるべきこと」を網羅するのが一般的であり、CPDの推進にあたっては、「何をすることができたのか」という視点から進行状況の把握・管理を行っていくことが多かった。
 今後、社会環境が変化していく中で、「持続可能な自己研鑚」を実現していくためには、社会ニーズを的確に把握し、社会に対して「どのような『成果』を挙げることができたのか」を重視することが必要となって来ている。成果に基づき、限られた時間を適正配分し、効果的・効率的な研鑚を図っていくことが求められている。
(2)自己研鑚の事前評価
 最初に、現在の自分のCPDを見直して評価することが必要である。具体的には、自分の現在の能力レベルを知り、自分の将来にとって必要と思われる能力開発の分野を見つけることである。このような評価を行う際のツール例として、SWOT 分析(Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の分析)がある。
(3)自己研鑚の活動
 CPDに真剣に取り組めば、必然的に異なる種類のCPDを経験することになる。すなわち、自分が計画し実行した自己研鑚活動に加え、その過程で気が付き深めていった計画外のCPDの機会である。両方のCPDとも重要なものであり、それらが組み合わさって、興味と探求心が身に付くこととなる。
4.資格制度の活用
①協会CPD 登録者増へのPR
 増加しているRCCM 資格者数に対し、CPD 登録者数が未だ少ないため、講習会、HP などを通じてCPDの啓蒙とその登録を推奨する。今後、RCCM でない技術者も含め登録者増に向けなお一層のPR が必要である。
②CPD プログラムの充実
 建設系CPD 協議会と連携して現在不足している分野(例えば技術者倫理)や専門性の高い分野などで提携や相互認定を検討していかなければならない。また、都市部と地方部でのCPD 単位取得に関わる格差の懸念を解消するため、企業内研修やOJT、自己学習など多様な形態で研鑚することが可能であることを啓蒙すると同時に、多くのCPD 登録者に幅広い分野のCPD プログラムの受講機会を提供できるようCPDプログラムの充実を図る必要がある。
③CPD 記録内容に関わる監査の実施
 CPD 記録内容における信頼性を高めるため、適切な監査を実施する必要がある。
 生涯にわたり技術者としての義務を果たし、責任を全うしていくためには、常に最新の知識や技術を修得し、自己の能力の維持・向上を図ることが不可欠である。大学等における基礎教育もさることながら、実社会に出てからの実務を通じた修習や資格取得後の学習が技術者の成長にとって必要である。国際化の進展や国内の雇用情勢の変化等により、技術者の継続教育(CPD:Continuing Professional Development)の必要性が広く認識されるようになってきた。
 多様化した社会において新しい課題に的確に答えていくためには、専門とする技術領域はもとより、幅広い領域で奥行きの深い技術を習得していくことが必要である。このためには、多くの継続教育プログラムの中から、自分にニーズに合ったプログラムを適切に選択できることが望まれる。
                             - 以 上 -


スポンサーリンク




よく読まれている関連記事



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする